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AkitosNove

スキー&スノーボード2004-2005

楓物語。第十四章 宝石

――宝石にはそれぞれの意味が含まれている。

人の安全。そういったことが祈りこまれている宝石もある。

しかし、宝石とはかけ離れた魔石というのも存在するのかもしれない...――

ールディブリアム 時計塔最深部ー
集まった、各ギルドのマスター。

そこで話し合う内容は、これからの世界と言っていた。

全員が集まったところで、ソラが話を切り出す。

ソラ:さて、今回の話だけど....

ザルバッグ:一つ聞いていいか。

ソラ:なんだい?ザルバッグ

ザルバッグ:何故、ここに政府の犬がいるのだ?

全員の視線は政府のベノムに向かって注がれた。

ベノムはサングラスの下から目を鋭くし、自己紹介をした。

ベノム:俺はリプレ自治リーダーのベノムだ。ま、なんていうか今は政府のやり方には反対なんでね。

あんた達も、俺がいたほうがいいんじゃないか?


そうベノムが告げると、ザルバッグは「むぅ」と口を閉じ黙りこんだ。

ソラ:まぁ、そういうことで話を戻そうか。

静かになったところをソラは見て、話を切り出した。

ソラ:ティニーのところの、雫は遠距離指定個所水素膨発摩擦装置の開発完了がもうすぐのようだね。

ティニーを見て言うソラに、ティニーは驚きを隠せなかった。

ティニー:....どうして、あんたがそのことを知ってるの?

ソラ:空中からなら全てお見通しなんだよ。

笑いつつ言ったが、それは冗談のようで本気のことだった。

ティニー:そういうことにしておこうか。....そうさ、後は私のエネルギーを注入することで装置は完全に起動できる。

ソラ:そう。そして、ベイウルフも石は集まったかい?

ベイウルフ:....なんのことだ?私は知らんぞ?

ソラ:隠さなくたっていいよ。全て分かってるんだから。懐の石を出してみなよ。

ソラがにらむと、その場は凍りだしベイウルフは仕方なく何か石を取り出した。

ベイウルフ:この石だ。

ソラ:なーるほど、それはトパーズか。

ソラが関心してると、他の二人は質問をした。

ザルバッグ:至って普通のトパーズだが....何か意味があるのか?

ティニー:ソラ、あなた錬金術でもする気かしら?

その質問には答えず、ソラは続けた。

ソラ:そして、僕達もついに人材がそろったよ。

ザルバッグ:人材....?

ソラ:チャンスは、あの変な犬達がいないとき。もうすぐやってくるだろうけど

そのとき、政府を潰そうじゃない?

そして、ソラは考えていた策を全員に説明した。

ベイウルフ:確かにそれなら、政府を確実にたたけるな。

ティニー:でも、実際のところどうなのかしらね。ザルバッグ、あなたはどう思う?

ザルバッグ:確かにかなり危険を伴うが、これは好機だ。今こそ力を合わせるべき。

ソラ:決まりだね。お互い健闘を祈るよ。

お互いに握手を交わしたあと、全員自分のギルドへと戻っていった。


ベノム:なるほどね、これは俺にとっても好機だな。さて、キメラスの奴はどう動くか....。楽しみだな。



ーショーワー
ジパング という異国の町の一番大きい町。

モンスターはいなく、人間だけで構成されている。

ここを統一しているのが、火狸金融である。

元は町のヤクザが経営していた会社であるが、グループが解散された後

ペイトリットが一番上へ昇りつめ、社長の座についた。

メリカ:えっとここが金融ね。さぁ、行くわよ。

ノヴァ:あのさ、何で俺たちまで行かないといけないわけ?

ベス一行とメリカは金融の前にいた。

ユーラテスとジアンヌとラビンはまた違う調査へと向かったのだ。

メリカ:そんなの私に聞かないでよ、キメラス様が決めたんだから。

キラ:大体分かったけど、とりあえず中へ入らないかい?

そういうとメリカは時計を見つつ、あたりを見渡した。

タンク:誰か待っているんですか?

ため息を吐きつつ再び時計を見て、話す。

メリカ:一応ね、ここの自治を任せられているリミットっていうバイパーがくるはずなんだけど、遅いわね。

ベス達も辺りを見回すと、一人だけこちらに向かってくる人がいた。

赤い髪に赤いサングラス。

その強い印象は誰もが一度見れば忘れないだろうと思うような格好の人は段々と近づいてきた。

メリカ:遅いわよ!リミット!

メリカが叫ぶと、リミットと呼ばれる人は駆け足でさらに近づいてきた。

リミット:はぁ...はぁ...ごめんごめん。ちょっと女の子と話してたら遅くなっちった。

遠くから見ると分からなかったが、その人の目の色も赤い色だった。

メリカ:あなた、またそーやって女の子に話しかけて...!

あなた自身だって女じゃない!

その一言で周りが凍りついた。

誰もが男だと思っていた人は本当は女性だったのだ。

ベス:え。この人が女....?

メリカ:紛れもなく、女性よ。それに私と同い年。

呆れながらメリカがつぶやく。

リミット:あはは。ボクって、ほら?あれじゃん。カッコイイ系?っていうのかな。意識しなくても女の子がやってくるの。

確かに言われてみれば、男性よりも胸にふくらみがあり、顔つきも多少は女性っぽかった。

しかし、もしこれで男性だと言われてしまえば、誰もが疑わないだろう。

カイ:もし、クロさんがいたら喜びますね。

ノヴァ:あれだなきっと。「やはーん。カッコイイ女の子///」とかなんとかで、興奮してそうだ。

メリカ:クロ...さん?

キラ:あ、いや。ボク達の友人なんで、気にしないでください。

メリカ:あ...あぁ、そうなの。

リミット:さぁ、さっさと中入って仕事終わらせちゃお。

―火狸金融内部―
中は外見と似ても似つかない状態で、とても綺麗なままだった。

しっかりと掃除とかはされているようで、居心地はよかった。

それだけならば。

一同が座った場所の周りには、武器を持った怖いお兄さん達が囲んでおり

合図があれば全員が遅いかかってきそうな雰囲気で、とても落ち着けなかった。

ペイトリット:それで、この度は一体どのようなご用件でしょうか。

リミット:まずは、借りていたお金の一部を返済しにきたんだよ。

ペイトリット:そうでございますか。誠にありがとうございます。....ピルタニア!

ピルタニア:失礼します。

下っ端の男と思われる者は、リミットからお金を預かり計算をし始めた。

ピルタニア:確かに頂戴いたします。

深々と頭を下げて後ろへと下がっていった。

スコピオ:お茶をお持ちいたしました。

お茶が目の前に置かれたが、ベスはそれを飲む気にはならなかった。

もしかしたら、何か得体の知れない物が入っているかもしれないと感じたからだ。

しかし、そんなことお構いなく、ノヴァやキラは飲んでいた。

それを見て平気そうな顔だったので、ベスも少しだけ、飲むことにした。

ペイトリット:先ほどは、「まずは」とおっしゃっておりましたが、他に何かあるのでしょうか?

お茶を飲んでるリミットがかけているサングラスの内側にある目を見るようにペイトリットは目を見つめた。

リミット:うん、実は。最近、雫のほうとかが強い武器が出来ちゃってきてるらしいんだ。それで、ボク達もそれを守るべき物が作ろうと思ってね。

ペイトリット:と、申しますと?

リミット:とても大きなお金が必要なんだ。

ペイトリットは一度イスに深くもたれ、目をつぶり、ゆっくりと口を開いた。

ペイトリット:つまり、今までのような形ではなく一度に大金を貸し出しを要望する。ということですか。

メリカ:早い話がそうですね。

ペイトリット:うーん....ジャコバン。お前はどう思う?

奥にいた背の高い男がゆっくりと歩いてくる。

身長は大体2m近くはあった。

ジャコバン:額にもよりますが、ここは貸しても会社には影響はないと思われます。

耳元で囁くと、ペイトリットはうなずいた。

ペイトリット:分かりました。お貸ししましょう。それで、額のほうは?

メリカ:ここに書いてあるとおりです。

ペイトリットはメガネを取り、紙を見た。

ペイトリット:分かりました。マーファ。この紙に書いてある金額の分をもってこい。

今度は山賊のような体格で目つきの鋭い男がやってきた。

マーファ:分かりやしたぜ。

その男が戻ってくると、両手にはトランクがあった。

ペイトリット:これが、10,000,000,000メルです。

あまりの金額にベス、キラ、ノヴァ、そしてタンクは目を丸くした。

今まで見たことも聞いたこともないような額。

こんな額を普通に貸し出す金融と。

普通に借りる政府。

両方が凄いと思った。

―ショーワ町―
リミット:なんとかなったね。

メリカ:あとはコレをキメラス様に渡せばいいのね?

リミット:うん、ボクはちょっとやることあるから失礼しよっかな。

メリカ:あ、リミット。

リミット:ん?どうした?

メリカ:ありがとね。わざわざ来てくれて。

リミット:何言ってるの、昔からの友達でしょ?

メリカ:うん、でも...。一人だと心細かった。

リミット:たまには遊びにおいでよ?

メリカ:うん。絶対いくね。

リミットは微笑みを残して手を振って後を去った。

ベス:あの、一人っていうけど俺達もいたんだけど.....。

メリカは既にそんなのは聞いていなかった。

メリカ:じゃ、政府戻ろうか。

ベス:聞いてもすらないよ....。

そうして、ベス達は政府へと戻っていった。

―火狸金融―
ペイトリット:こりゃ、いい儲けだな。

マーファ:笑いが止まりませんね、兄貴。

ペイトリット:本当に馬鹿は使いようだな。

笑いながら話しているとき、いきなり目の前に一人の男が舞い降りてきた。

まるで、天使のように美しく現れたのだった。

ソラ:さて、金融の人たち。

ブルーム:お前、一体どこから?!

ソラ:そんなのはどうでもいいでしょ?とりあえずね、今から僕の指示に従ってもらうよ。

ブルーム:馬鹿を言うな。お前一人で一体何が

ブルームが杖で雷を落とそうとしたときだった

急にブルームが遠くへと跳ね飛ばされてしまっていた。

マーファ:一体何があったんだ?!全員であいつを囲め!一網打尽にしてやるんだ!

ソラの周りに何人もの金融のお兄さん達が群がってきた。

しかし、ソラが笑うと周りのお兄さん達は全員倒れこんでしまった。

マーファ:お前一体何者なんだ....。

ソラ:君達には僕の速さが見抜けないか。

左腕をめくると、黄緑色に輝くブレスレットがあった。

ソラ:これは、世界に14つしかない宝石の一つ。グリーンクリスタル。

ブルーム:それが、どうしたっていうんだ...!

意識を取り戻したブルームは立ち上がり再びソラに襲い掛かった。

ソラ:これは、装備している本人の能力を底上げするだけではない。

ソラは空中に舞い上がり、見下しながら話し続けた。

ソラ:これの本当の力。君達に見せてあげるよ.......。




―シパング キノコ神社―
リミット:ここらへんから時空の歪みが始まってる....。早く、しないとフィオナ達が待ってる...。

鳥居の近くに、リミットは立ち、息を深く吸って目をつぶった。

リミット:タイムリーフなら、この時空の歪みを直せるはず...。

リミットは両手を開くと、周りの景色は全て消え。

無の世界となった後、また違う景色が出てきた。

?:ありがとう、リミット。おかげでまた「こっち」に戻ってくれたわ。

リミット:......フィ...オナ....おかえり。

フィオナ:ただいま、リミット。あなたは少し休んでて。

?:これからどうしましょう。

フィオナ:トパとマーメイに今の世界を調べるように伝えてくれない?ジャム。

ジャム:分かりました。伝えにいってきます。

フィオナ:さて、この今狂いつつある世界を、私達ReadersForceが、粛清してあげるわ...。

―金融内―
ペイトリットが目を覚ますと、周りにいた人たちはほとんどがいなくなっていた。

いるのを確認できたのは。

自分、マーファ、ジャコバン、...そしてソラだけだった。

何があったのか分からないうちに他は全員消えていた。

ソラ:皆、消えちゃったよ。これが、このクリスタルに秘めてある力...どう?従う気なった?

ペイトリット:....分かった。従おう。

ソラ:人間、素直が一番だよ...。ふふ....。



――世界に14つしかない特別な宝石

いや、それは宝石というより魔石というべきものだろうか。

力を与えてくれる石。まさに悪魔の力というべきだろう....。
# by cicada0117 | 2008-11-29 18:12 | 楓物語



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小説の紹介

1.挑戦者たち
メイプルストーリーの世界は四職で成り立っていますが、もし、この四職が互いの潰しあっていたらどうなるんでしょうか?
はじめての作品です。
話は終わりました。

2.楓物語
「挑戦者たち」の世界の後の話です。
モンスターばかり狩っている今のメイプルストーリーですが、狩場を確保するために放置してる人などをMPKする人や、初心者の弱い人がくるとMPKする人がいるということがあります。それに、最近ギルド対抗戦としてギルドクエストが出てきたので、プレイヤー同士の戦い・・・PvPだったら、こんな感じだろうということを考えて、作りました。主に会話をメインとして書いているので、会話がとても多いです。
現在進行中です。
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